シャフト5Sと6Sの違い|ヘッドスピード別の選び方で飛距離とミス許容性を最適化

ゴルフホールに近づいたゴルフボールと芝生
クラブ

シャフトの5Sと6Sの違いでクラブ選びに悩んでいませんか。

見た目や表記は似ていても振動数や中間剛性、トルク、バット・テーパー剛性といった要素が打感や弾道、ミス許容性に大きく影響します。

この記事では数値面とフィーリング面の両方から5Sと6Sを比較し、ヘッドスピード別の選び方も具体的に示します。

さらに試打で確認すべき打球音・弾道高さ・ボール初速・左右ブレ・インパクトフィーリングや、カスタム調整・中古品チェックの実践ポイントまでカバーします。

結論を急がず段階的に違いを理解して自分に合う一本を見つけられるよう、まずは違いの要点から読み進めてください。

シャフト5Sと6Sの違い

広大な田園風景が広がる丘の上のゴルフコース

シャフトの5Sと6Sは、一見するとわずかな差に見えますが、性能やフィーリングに明確な違いがあります。

この記事では振動数からミス許容性まで、実戦で感じる差をわかりやすく解説します。

振動数

一般的に6Sは5Sに比べて振動数が高く、軸剛性が増している傾向があります。

振動数が高いとヘッドのブレが抑えられ、インパクトでの安定感が向上しやすいです。

逆に振動数の低い5Sはシャフトのしなりを感じやすく、タイミングを合わせやすい利点があります。

中間剛性

中間部の剛性は弾道の立ち上がりとつながりに直結します。

6Sは中間剛性が高めで、ボールの伸びや方向の安定性を出しやすい設計です。

5Sは中間部がやや柔らかく、打ち出し角を出しやすい性格になります。

トルク

トルクはシャフトのねじれ量を示し、方向性や打感に影響します。

比較項目 5S 6S
ねじれ量 やや多め 控えめ
方向性 許容されやすい 安定しやすい
スピン傾向 やや増加 抑えめ

バット剛性

バット部の剛性は操作性と打感に直結します。

6Sではバット剛性が高く、振り負けしにくい安定感が得られます。

5Sはバットがしなる感覚が残り、ヘッドが走るイメージを作りやすいです。

テーパー剛性

テーパー部、特にチップ側の剛性は弾道の高さとスピンに効きます。

6Sはチップがしっかりしていることが多く、弾道を低弾道寄りに抑える効果があります。

5Sはチップが柔らかめで、ボールを上げやすく高弾道を出しやすいです。

重量

同一モデル内では6Sの方がわずかに重く設計されていることが多いです。

数グラムの差でもスイングテンポや慣性モーメントに影響しますので、実際に手に取って確認してください。

打感

5Sは打感がやわらかく、インパクトで衝撃がマイルドに伝わる傾向があります。

6Sはややしっかりした打感で、インパクトの情報が明確に手元に伝わりやすいです。

好みの打感はプレーヤーのスイングタイプや求める弾道によって変わりますので、試打で確かめることをおすすめします。

ミス許容性

5Sはミスに対する許容性が高く、スライスやフックのブレが相対的に小さく収まることが多いです。

6Sはよりコントロール性が高く、小さなミスがそのままスコアに影響しやすくなります。

用途別の選び方の参考として、次の点を考慮してください。

  • ヘッドスピードが安定していない場合
  • 寛容性を重視したい場合
  • 高弾道でランを稼ぎたい場合
  • 精密な方向性を求める場合

ヘッドスピード別の選び方

海が見える開放感のあるリゾートゴルフコース

ヘッドスピードに応じてシャフトを選ぶと、方向性と飛距離の両方を安定させやすくなります。

ここでは三つのレンジに分けて、実戦的な選び方と注意点を解説します。

ヘッドスピード35m/s未満

ヘッドスピードが35メートル毎秒未満の方には、比較的柔らかめのシャフトをおすすめします。

具体的には5S相当のしなりを活かせるモデルが振りやすく、ボールを上げやすい利点があります。

重量は軽めが合いやすく、45グラム前後を目安にすると扱いやすくなります。

トルクはやや高めの方がヘッドの返りを感じやすく、結果的に飛距離が伸びる場合があります。

バット側の柔らかさでミスを吸収しやすいので、インパクトでの衝撃が和らぐ利点があります。

ただし、極端に柔らかいと方向性が不安定になりやすい点には注意してください。

ヘッドスピード35〜40m/s

このレンジは最も選択肢が広く、5Sと6Sのどちらも検討に値します。

弾道やフィーリングの好みで微調整するのがコツです。

  • ミッドからやや高めの弾道
  • 5Sか6Sの選択肢
  • 重量48〜54グラムが目安
  • トルク3.5〜4.5程度
  • バランスはD0〜D3あたり

実戦的には、まず自分のスイングテンポで打ち比べると違いがわかりやすいです。

スイングがゆったりめなら5S寄り、速めなら6S寄りを試してみてください。

ヘッドスピード40m/s以上

40メートル毎秒を超えるプレーヤーには、しっかりした中〜高剛性シャフトを推奨します。

高いヘッドスピードではシャフトのたわみを抑えないと方向性がぶれやすくなります。

推奨シャフト特性 理由
高剛性 6S以上 ヘッドのブレを抑制
重量 54グラム以上 安定したヘッド挙動
低トルク 3.0以下 左右ブレの軽減

重めでしっかりしたシャフトはパワーを受け止め、ボールの初速を稼ぎやすくなります。

ただし、硬すぎると手元に負担がかかるため、試打でフィーリングを必ず確認してください。

ヘッドスピードが高い方でも、スイングテンポや体の使い方で最適な剛性は変わります。

試打で確認する具体項目

池と落葉樹が美しい冬のゴルフグリーン

試打は数字と感覚の両方を照らし合わせる作業になります。

短時間で判断を急がず、複数球を打って傾向を掴むことが大切です。

打球音

打球音はクラブのしなりやヘッドのインパクト感を即座に伝えてくれます。

高めのクリアな音は弾き感のあるセッティングを示すことが多く、低めでこもった音はしっかりした重みを感じさせます。

スイートスポットを外したときの「プッ」や「ボフッ」といった音の違いも確認して、ミス時の感触も合わせて覚えておくと良いでしょう。

自分の好みとスイングテンポに合っているかを基準に選ぶと、練習やラウンドでの安心感につながります。

弾道高さ

弾道の高さは打ち出し角とスピン量で決まるので、意図通りの高さが出ているかを見ます。

高い弾道はキャリーを稼ぎやすく、低い弾道は風に強い特性を示します。

同じスイングで高さがバラつく場合はシャフトの挙動かフェースコントロールの問題を疑いましょう。

狙いの距離やコースコンディションを想定して、最も安定する弾道を選ぶのが賢明です。

ボール初速

ヘッドスピード 目安ボール初速
35m/s未満 45m/s前後
35〜40m/s 46〜50m/s
40m/s以上 50m/s以上

ボール初速は機械測定が最も信頼できますので、できれば弾道測定器で計測してください。

同じヘッドスピードで初速が低い場合はエネルギー伝達が悪い可能性があり、シャフトのしなりやヘッドのロフト適合を再確認すると良いです。

効率良く初速が出る組み合わせは飛距離の伸びにつながりますので、数球の平均値で判断することをおすすめします。

左右ブレ

左右のブレは方向性の安定性を示す重要な要素です。

同じラインを繰り返せているか、ミスの方向に偏りがないかをチェックしましょう。

ブレが大きい場合はグリップ、アドレス、ヘッド制御のいずれかに原因があることが多いです。

  • 方向のばらつき
  • ミスの偏り
  • フェース角の記録
  • 弾道の曲がり幅

上記の項目を意識して打つと、シャフトのしなり方が方向性にどのように影響しているかが見えてきます。

インパクトフィーリング

インパクトフィーリングは手元に伝わる振動や圧力感で判断できます。

「しっかり乗った」感触や「弾いた」感触を比較して、自分のタイミングに合うか確認しましょう。

違和感がある場合はシャフトの中間剛性やトルクが合っていない可能性が高いので、別のモデルと比べることをおすすめします。

最終的には打球音や弾道と合わせて総合的に判断すれば、実戦で扱いやすい一本を見つけられます。

カスタムフィッティングでの調整項目

青空の下でゴルフカートが並ぶティーグラウンドの風景

クラブの性能はヘッドやシャフトだけで決まるわけではなく、フィッティングでの微調整がスコアに直結します。

ここでは長さ、バランス、ウェイト、グリップといった主要な調整項目ごとに、目的とチェックポイントをわかりやすく解説します。

長さ調整

長さはスイングリズムやインパクトの再現性に大きく影響します。

長過ぎればヘッドをコントロールしにくくなり、短過ぎれば飛距離と慣性が落ちる傾向が出ます。

フィッティングではまず普段使っている長さで数球打ち、スイング軌道とフェースの向きを確認します。

  • 標準長さ
  • 短くするメリット
  • 長くするメリット
  • テストの目安

試打の際は長さを1インチ刻みで変え、弾道と方向性の変化を比較することをおすすめします。

バランス調整

バランスはスイングウェイトと呼ばれる指標で表され、操作性や切り返しの速さに関係します。

重心が手元寄りになると扱いやすくなり、ヘッド寄りだとヘッドの走りが良くなります。

調整方法としては鉛テープの貼付やソケットに小さなウエイトを入れる方法があり、実戦での感覚を優先して決めます。

バランスを変えたら必ず数球打ち、ミート率やフェース向きのブレが減るかを確認してください。

ウェイト交換

ヘッドのウェイトを交換することで弾道の高さとスピン量、慣性モーメントを調整できます。

前方に重心を寄せると低弾道でスピンが抑えられ、後方に寄せると高弾道でミスに強くなります。

調整品は純正のウエイトや汎用ウエイトがあり、ねじの互換性を必ず確認する必要があります。

目的 効果
ボール初速重視 前方重心化による低スピン
ミス許容性向上 後方重心化による高弾道
左右ブレ抑制 重めのウエイトによるMOI向上

交換後はスイング感覚と弾道データの両方をチェックし、目的に合致しているかを確認しましょう。

グリップ変更

グリップの太さと素材は操作感とフィーリングに直結します。

太めのグリップは手首の使い過ぎを抑え、方向性が安定するメリットがあります。

逆に細めのグリップは握力を使いやすくなり、ヘッドを走らせやすくなることがあります。

グリップ交換の際は重量が約10グラム前後変化する点も考慮し、バランス調整が必要かどうかを確認してください。

実際に手で握ってみて滑りやすさや感触を確かめ、コース志向に合ったものを選ぶと良いです。

中古や流通品で見分けるチェックポイント

黄旗が立つグリーンと青空が広がるゴルフ場

中古シャフトは見た目だけでは判別が難しい部分が多く、細かいチェックが安心につながります。

ここでは購入前に必ず確認しておきたいポイントを具体的に説明します。

軸ブレ

軸ブレは見た目に出にくいが、実際のスイングで挙動に直結します。

床の上にシャフトを水平に置き、軽く回転させて偏心がないか確認してください。

片手でシャフトの先端を持ち、反対の手で数回軽く回転させてガタや偏心音がないか聞いてください。

目視で振れ幅が大きい場合は内部クラックや製造不良の可能性があるため、避けるのが無難です。

塗装の亀裂

塗装の亀裂は見た目の印象を大きく左右しますが、深刻なダメージのサインでもあります。

グリップ側から先端にかけて、継ぎ目周辺やバットエンド付近を念入りに観察してください。

ヘッド装着部近くに細いひび割れが集中している場合は、強いテンプレや過去のクラッシュの疑いがあります。

ライトを当てて角度を変えながら見ると、見落としやすいヘアクラックが浮き上がることが多いです。

塗装の剥がれやパテ埋めの跡があれば内部損傷の可能性があるため、販売者に詳細を確認することをおすすめします。

継手の緩み

継手の緩みはクラブの操作感に直結し、最悪の場合プレー中にヘッドが外れる恐れがあります。

簡単なチェック方法を実施して、ガタつきや異音がないか確かめてください。

  • ヘッドの前後のガタ
  • シャフトの回転遊び
  • 差し込み部の接着跡
  • ネジや接合部の異物

上記の項目を確認する際は、ヘッドを軽く握って前後左右に動かしてみると違和感を発見しやすいです。

接合部に隙間やスレがある場合は、再接着やリシャフトの費用も考慮して判断してください。

振動数測定

振動数はシャフトの硬さを客観的に示す指標で、同一モデルでも個体差があります。

購入前に振動数計で数値を測定できると安心です、数値で比較すれば適合性が分かりやすくなります。

セルフチェックが難しい場合は、販売店に測定を依頼して結果を提示してもらいましょう。

振動数 目安のフレックス
200cpm以下 柔らかめ
200〜240cpm 中間
240cpm以上 硬め

振動数は計測環境や測定方法で差が出るため、同じ機器で複数本を比べるのが適切です。

最後に、可能であれば試打して数値と感覚が一致するか確かめることをおすすめします。

購入前の最終確認

グローブを着けた手でホールからゴルフボールを取り出す様子

購入前には必ず実物を手に取り、振動数や重量表示がカタログと一致しているか確認してください。

グリップの摩耗や塗装のひび割れ、継手のがたつきも見落とさないでください。

試打できるなら最低でも10球は打ち、弾道の高さや左右のブレ、インパクト時の感触を体で確かめてください。

スイングウェイトや長さが自分のスイングに合っているかも重要です。

中古品なら振動数測定の結果を記録してもらい、購入後の返品や保証条件を確認してください。

ショップのフィッティングサービスやクラブビルダーに相談すると安心です。

最後に直感も大切にして、打っていて気持ち良ければ最良の選択になりやすいです。

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