ディアマナTB振動数が分からず、試打でしっくり来ないと感じていませんか。
重量やフレックス、計測方法で数値が変わり、どれが自分に合うか判断しづらいのが実情です。
この記事では公称スペックと実測値、測定手順、ヘッドスピード別の目安まで詳しく解説します。
モデル別比較やプロ採用例、仕様公差の見方も紹介するので選び方が明確になります。
後半では実際の計測データと応用ポイントで、すぐに試せる調整法も示します。
結論を急がず順を追って確認すればフィッティングの精度がぐっと上がりますので、まずはスペック表から見ていきましょう。
ディアマナTB振動数
ディアマナTBシリーズの振動数について、設計意図と実測の目安をまとめます。
ドライバー用シャフトとして定評のあるTBは、軽量から重量級まで幅広いラインナップが用意されています。
ここではスペック表と重量別・フレックス別の振動数目安、計測単位と基準、仕様公差、そしてプロの採用例を整理します。
スペック表
まずは代表的なモデルのスペック表を示して、振動数の目安を確認してください。
| モデル | 重量 | フレックス | 振動数目安 |
|---|---|---|---|
| TB40 | 40g | R | 220〜250cpm |
| TB50 | 50g | S | 240〜270cpm |
| TB60 | 60g | S | 260〜290cpm |
| TB70 | 70g | S/X | 280〜320cpm |
重量別振動数
一般的にシャフト重量が増すと振動数は上がる傾向にあります。
軽量モデルはしなりが出やすく、同じフレックスでも振動数は低めになることが多いです。
逆に重量級モデルは剛性が高まり、振動数が高く安定感が増すという特徴があります。
ディアマナTBシリーズでは、40g台から70g台までの間で約40〜100cpmほどの差が出るケースがあります。
フレックス別振動数
フレックスが硬くなるほど振動数は上昇します。
RからSへ、SからXへと移るごとに振動数は段階的に高くなります。
同じ重量でもフレックスの違いで20〜40cpm程度の差が生じることが多いです。
フィッティングの際は振動数だけでなく、シャフトのトルクやキックポイントも合わせて確認してください。
計測単位と基準
振動数の計測単位としてはcpmとHzが使われます。
業界ではcpmが一般的で、1Hzは60cpmに相当します。
計測の基準は測定方法や固定位置によって変わるため、同一条件での比較が重要です。
多くのフィッティングショップやメーカーは、グリップ側を固定して先端を叩く方式で数値を出します。
仕様公差
量産品としての公差はメーカーによって異なりますが、一般的な目安を述べます。
製造公差としては±5〜10cpmの範囲がよく用いられます。
より厳密に管理されたカスタムやツアー仕様では±3〜5cpmレベルで調整されることがあります。
フィッティング時には公差の範囲を把握しておくと、期待する挙動と実測値のズレを減らせます。
プロ採用例
ツアーでの採用実績は、シャフトの信頼性を測る重要な指標です。
以下はディアマナTBの代表的な採用シーンの例です。
- ツアープロのドライバー使用
- カスタムフィッティングによるツアー装着
- 大会や練習での実戦使用
振動数の正確な計測手順
ディアマナTBの振動数を正確に把握するには、準備と手順の一貫性が鍵になります。
ここでは計測結果の再現性を高めるための手順を段階的に解説します。
機材準備
まずは使用する機材の点検と校正を行います。
加速度計や周波数計は最近校正された機器を使うと誤差を減らせます。
測定環境も重要で、温度が大きく変動する場所や振動源の近くは避けます。
- 加速度計
- 周波数カウンター
- クランプまたはチャック
- ゴムハンマーまたはインパクト装置
- データロガーまたはPC
シャフト固定
シャフトの固定位置は結果に直結しますので必ず記録します。
一般的には露出長を一定にして測定することが多く、300mm前後を基準にする例が多いです。
ヘッドを装着した状態で実使用に近い数値を取りたい場合は、ヘッドをセットしたまま固定してください。
クランプは過度な締め付けでシャフトにプレストレスを与えないように注意します。
締め付けの際は滑り止め材の使用やゴムカバーの挟み込みでダメージを防ぐと良いです。
振動計測
計測は加速度計をシャフトのバット側に近い位置に取り付けることが多いです。
打撃は安定した力で複数回行い、平均を取ると再現性が向上します。
サンプリング周波数は十分に高く設定してください、一般的には数kHz以上を推奨します。
衝撃を加える方法は手打ちでも機械打ちでも構いません、ただし毎回同じ条件で行うことが重要です。
ノイズ除去のために周囲の振動を最小化し、同一の打撃点を守ることを心がけてください。
データ解析
取得した波形から主振動数を抽出します。
窓関数やフィルタ処理で不要な成分を除去すると見やすくなります。
複数回の測定結果は平均と標準偏差を算出して信頼性を確認します。
| 解析項目 | 判定基準 |
|---|---|
| ピーク周波数 | 主振動数 |
| 振幅 | 初期振幅 |
| 平均値 | 複数回測定の平均 |
結果は必ず測定条件とともに記録し、後で比較可能な形で保存してください。
異常値が出た場合は固定や打撃方法を見直し、再測定を行うことをおすすめします。
ヘッドスピード別の振動数目安
ヘッドスピードによって適切なシャフト振動数は大きく変わります。
振動数の目安を知ることで、打感や方向性の安定に直結するセッティングが可能になります。
ヘッドスピード30〜35m/s
このレンジは中〜中上級者の幅広い層が含まれますが、比較的ゆったりしたスイングの人も多いです。
目安となる振動数はおおむね220〜260 cpm程度が適切です。
軽めのシャフト重量と柔らかめのフレックスを選ぶと、ボール初速が出やすく、つかまりも良くなります。
具体的には40〜55gクラスのRまたはSRが合いやすい傾向にあります。
ヘッドスピード36〜40m/s
このレンジは安定してパワーを出せる段階で、振動数を少し上げると方向安定性が向上します。
目安となる振動数は260〜300 cpmあたりが中心です。
- シャフト重量50〜60g
- フレックスSRからS
- 中間トルクでミートしやすい特性
- 弾き感よりもコントロール重視
このレンジでは、ややしっかりした振動数にしておくとスイングのタイミングが取りやすくなります。
ヘッドスピード41〜45m/s
パワーがあり、ヘッドをしっかり走らせられる層です。
振動数の目安は300〜340 cpmが標準となります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 推奨振動数 | 300〜340 cpm |
| シャフト重量 | 60〜70g |
| フレックス例 | S X |
この領域では硬めの設定にすることでフェース挙動が安定し、左右のブレが抑えられます。
ただし過度に高い振動数はミート率を下げる場合があるため、試打での確認が重要です。
ヘッドスピード46m/s以上
プロやトップアマに近い高速スイングの域です。
目安となる振動数は340 cpm以上、状況によっては380 cpm前後まで考慮されます。
重めでハードなシャフトを使うことで、パワーをボールに効率よく伝えられます。
70g以上のXフレックスや、剛性の高い設計のモデルがフィットしやすい傾向です。
ただし、振動数だけでなくトルクやキックポイントとの組み合わせで最終的なフィーリングが決まる点に注意してください。
ディアマナTBモデル別の振動数比較
ここではディアマナTBシリーズ各モデルの振動数の目安をモデルごとに比較します。
実測値はクラブ長さやヘッド形状、グリップや接着状態で変動しますので、あくまで目安としてお読みください。
TB40R
TB40Rはシリーズの中で軽量でしなやかな設定になっています。
一般的な振動数の目安はおよそ220〜235cpm程度です。
振動数が低めなので打感は柔らかく感じやすく、ミート率が向上しやすい特性を持ちます。
ヘッドスピードが比較的遅めのゴルファーに向いており、弾道は高めになりやすいです。
TB50S
TB50Sは軽さと操作性のバランスを意識したミドルクラスのモデルです。
振動数の目安はおよそ245〜260cpmと考えられます。
ほどよい剛性で安定感を保ちつつ、扱いやすさを残しているため幅広いプレーヤーに合いやすいです。
スイングにメリハリを出したい方や、もう一段階上の飛距離安定を狙う方に適しています。
TB60S
TB60Sはやや重量感としっかりした剛性が特徴の一本です。
振動数の目安はおよそ265〜280cpm程度です。
しっかりした感触が欲しい中級者以上のプレーヤーに選ばれることが多いです。
- 扱いやすい剛性配分
- 中〜高弾道の安定化
- ミドルスイング向けのレスポンス
TB70S
TB70Sは重量と剛性のバランスを高めたモデルで、弾道の安定性を重視する設計です。
目安となる振動数はおよそ280〜295cpmです。
| モデル | 振動数目安 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| TB70S | 280-295cpm | 安定感重視 |
| 標準長さ設定 | 一般的な組み合わせ | やや低スピン傾向 |
このモデルは高速域でのヘッド挙動を抑え、左右のブレを軽減する効果が期待できます。
強めのスイングでも打ち負けしにくいことが魅力です。
TB70X
TB70XはTB70Sをさらにハードにチューニングしたエクストラハード仕様です。
振動数の目安はおよそ300〜315cpmと高めになります。
重量感と高剛性によりヘッドスピードの速いプレーヤーに向き、インパクト時の初速維持に寄与します。
ただし打感はやや硬めになるため、フィーリングを重視する方は試打での確認をおすすめします。
振動数で改善できるショット要素
シャフトの振動数は、単に硬さを示すだけではなく、ショットの質に直結する重要な要素です。
この章では、打感から飛距離安定性まで、振動数がどのように作用するかを具体的に解説します。
打感
振動数が打感に与える影響は大きく、インパクト時の手元への伝わり方が変わります。
| 低振動数 | 高振動数 |
|---|---|
| 柔らかい感触 | しっかりした感触 |
| 長い打球音 | 短い打球音 |
| 手元のフィードバックが大きい | 手元の振動が少ない |
表のように、低振動数は打感が柔らかく感じやすい反面、手元に残る振動で違和感を覚える方もいます。
高振動数は打球感がシャープで、フィードバックが少ないためにミスの判別が難しくなることもあります。
ミート率
振動数はボールとの接触時間やエネルギー伝達に影響を与えます。
一般に、適切に合わせた振動数はインパクトでのクラブヘッドの安定性を高め、ミート率を向上させます。
逆に、合っていない振動数ではシャフトが暴れやすく、芯を外す確率が増える傾向にあります。
具体的には、ヘッドスピードに応じたフレックス選定と重量バランスの最適化で改善が期待できます。
フェース挙動
シャフトの振動数はフェースの開閉タイミングに直結します。
柔らかめの振動数だとインパクトでフェースが遅れて閉じることがあり、プッシュやスライスが出やすくなります。
反対に固めの振動数はフェースの戻りが早く、フックの傾向を強める場合があります。
したがって、理想的なフェース挙動を得るには、ヘッドの特性と振動数のバランスを取ることが重要です。
左右のブレ
左右のブレは振動数のミスマッチから生じることが多く、安定性を損ないます。
- 振動数の不一致
- フレックスの選択ミス
- シャフト重量の偏り
- グリップの滑り
- スイングテンポの乱れ
これらを確認し、必要ならばシャフト交換や調整で振動数を最適化すると改善しやすいです。
飛距離安定性
振動数が適切だと打ち出し角とスピンが安定し、飛距離のバラつきを減らせます。
ヘッドスピードに対して柔らかすぎるシャフトはロスが増え、飛距離が不安定になりやすいです。
一方、過度に硬いシャフトはミート率を下げることがあり、最大飛距離が取りにくくなります。
最終的には、自分のスイング特性を把握して振動数を調整することが飛距離安定化の近道です。
ディアマナTB振動数の最終判断
ディアマナTBシリーズは、設計によりモデルごとに振動数特性が整理されており、ヘッドスピードや打感の好みに応じた選択がしやすい製品群です。
軽量モデルは低めの振動数でしなりを感じやすく、中〜重めのモデルは高めの振動数で安定性を重視する傾向があります。
ただし、個体差や計測誤差は存在するため、カタログ値だけで判断せず、実際の計測や試打で確かめることが重要です。
最終判断の基準はヘッドスピード、求める打感、ミート率や左右のブレの改善効果に置くと良いです。
可能であれば複数モデルを試打し、自分のスイングと感覚に最も合う振動数帯のシャフトを採用することをおすすめします。

