60度のウェッジを初めて手にしたとき、どの場面で使えばいいか迷ってしまう気持ちはよく分かります。
特にグリーン周りやバンカー、ランニングアプローチでの使い分けやロフト・バウンスの選び方でつまずく人が多いです。
この記事では基本的なセットアップとスイングのポイント、短時間で効果を実感できる練習ドリル、クラブ構成まで実戦で使える情報をわかりやすくお伝えします。
利点と欠点、ライ別の打ち分け、バウンスの見方、購入時のチェックポイントなど項目ごとに整理して解説します。
結論に飛びつかず基礎から着実に身につけたい方は、そのまま読み進めてください。
初心者向け60度ウェッジの使い方と選び方

60度ウェッジの特徴と、初心者がまず押さえておきたい選び方や基本的な使い方をわかりやすくまとめます。
60度ウェッジの利点
60度ウェッジは高い弾道でボールを止めやすく、グリーンに着地してからのショートホップを抑えられます。
短い距離のピッチやピンに近いアプローチで威力を発揮し、芝目やグリーンの硬さに関係なく使いやすいです。
バンカーからの脱出も得意で、フェースを開いて使うことで砂の薄い入射でも安定してボールを出せます。
60度ウェッジの欠点
一方でロフトが立ち過ぎているため、距離感のミスが出やすく、初心者はオーバーしやすいです。
ランニングアプローチには向かない場面があり、低く転がしたい場面で不利になることがあります。
またフェースを開く操作が必要な場面が多く、慣れるまではミスショットの原因になりやすいです。
グリーン周りでの用途
グリーン周りでは高さを出して止めるショットや、ピンが近い場面でのクリアランス確保に向いています。
ショット | 適した状況 |
---|---|
ピッチショット | 高い着弾で止めたい時 グリーンエッジからのピンが近い時 |
チップショット | 短い距離で転がしを抑えたい時 ピンの周りで止めたい場面 |
フリップショット | 芝が薄いライからの安全な脱出 グリーン手前の障害を越す時 |
バンカーでの用途
60度はバンカー脱出に非常に適しており、特に深い砂からの救出で頼りになります。
フェースを開いて砂に滑らせる感覚を覚えると、ボールの度合いと高さを安定させやすくなります。
ただし浅い砂や固いライではバウンス選びが重要で、適切でないとリーディングエッジが刺さる心配があります。
ランニングアプローチとの比較
ランニングアプローチは低く転がして距離を稼ぐショットで、60度とは逆の特性を持っています。
状況に応じて使い分けるとスコアメイクの幅が広がり、近距離は60度、高さを要さない中距離はランニングが有効です。
基本セットアップ
スタンスはややオープンにして、ボールは中央やや右にセットするとクラブが自然に入っていきます。
体重配分は右足にやや多めに置き、ダウンでのすくい上げを防ぐようにしてください。
フェースを開く場面ではグリップのプレッシャーを緩めすぎないことが重要です。
スイングの基本ポイント
スイングは小さめの振り幅で、手首の使い過ぎを抑えながらリズム良く打つことを心がけてください。
ダウンで体重移動を意識し、クラブヘッドが砂や芝に入る感覚を一定に保つと再現性が上がります。
着地後のフェース向きやボールのスピンを確認して、練習で感覚を積み重ねてください。
初心者向け練習ドリル概要
まずは短いピッチとバンカーから始めて、60度の扱いに慣れることを優先してください。
- 短距離ピッチの反復
- バンカー浅ライからの脱出練習
- 30ヤード前後の距離感ドリル
- フェースオープンの角度確認練習
無理に長いショットを行わず、感覚を安定させることを目標に練習を続けてください。
ロフトとバウンスの見方

60度ウェッジの性能を理解するためには、ロフト角とバウンス角の役割を正しく把握することが重要です。
ここでは初心者でもわかりやすく、それぞれの意味と選び方を解説します。
ロフト角の役割
ロフト角はボールの打ち出し角とスピン量に直結します。
ロフトが大きいほど高い弾道になり、ランが少なくなる傾向が出ます。
60度ウェッジは短い距離を高く上げて止める用途に向いており、グリーン周りでのショットに威力を発揮します。
ただし風の影響を受けやすく、距離感が難しくなりやすい点には注意が必要です。
練習で同じロフトでも打ち出しやスピン量の差を確認しておくことをおすすめします。
バウンス角の選び方
バウンス角はソールの厚みが地面と接触したときの反発の度合いを示します。
ライやスイングによって適したバウンスが変わるため、自分の普段のライを基準に選ぶことが大切です。
以下は一般的な目安です。
- 低バウンス
- 中間バウンス
- 高バウンス
低バウンスは硬いフェアウェイや薄い芝のライに向いており、フェースを開いて使うことが多い方に適しています。
高バウンスは柔らかい砂や深い芝のバンカーで抜けが良く、ソールが滑ってダフリを防ぎやすい性質があります。
ソール形状の違い
ソール形状はバウンスの感じ方と抜けの良さに大きく影響します。
同じバウンス角でもソールの幅やトレーリングエッジの形状で挙動が変わりますから、試打で違いを確かめると良いです。
形状 | 特徴 | 適したライ |
---|---|---|
ナローソール | 薄めのソールで扱いやすい | 硬いフェアウェイ |
ワイドソール | 抜けが良くミスに強い | 深いラフやバンカー |
グラインド付き | 多彩な打ち方に対応可能 | 万能型 |
購入前には実際のライで打ってみて、バウンスとソール形状の相性を確認してください。
ギャップ管理とクラブ構成

ロフトギャップの考え方と、実際に60度ウェッジをどう組み込むかはスコアに直結します。
自分のショットレンジを意識して、無駄な重複を避けることが大切です。
ロフトギャップの考え方
クラブ間のロフト差は均等に近いほど距離のブレが少なくなります。
一般的にはアイアンは4度前後、ウェッジでは4〜8度を目安にすることが多いです。
クラブペア | 推奨ロフト差度 |
---|---|
ロングアイアン 同士 | 4 |
PW と AW | 8 |
AW と SW | 4 |
SW と LW | 4 |
上の表はあくまで目安ですので、自分の打球高さや転がりを確認して調整してください。
例えばPWから56度までが大きく開くと、50ヤード前後の距離が抜けやすくなります。
結果としてグリーン周りでクラブ選択が迷いやすくなるため、間を埋めるアイテムを検討すると良いです。
60度を含めたクラブ構成例
60度ウェッジは最上級のロフトなので、他クラブとの役割分担をはっきりさせる必要があります。
目安として、以下の構成例が初心者にわかりやすい組み合わせです。
- 基本型 アイアン 7 8 9 PW AW SW LW60
- バンカー重視 8 9 PW AW SW60 PWでのコントロール
- ギャップ重視 6 7 8 9 PW 50 56 60
上の例は使い手の得意ショットによって柔軟に変えてください。
例えばランニングが得意なら、60度を持たずに54や58を選ぶのも合理的です。
代替クラブの使い分け
60度が苦手な場合は代替クラブの選び方でカバーできます。
まず58度は60度よりロフトが少し寝ているため、バウンスを活かしやすくミスが出にくいです。
54度はランニングアプローチやピッチの中間に使いやすく、距離の穴を埋めるのに適しています。
またPWをフェースを開いて使うことで、高さを出せる場面があります。
この際は距離管理が難しくなるため、練習で感覚を掴むことが重要です。
さらに、短いランニングショットにはロフトの少ないクラブを使い、フォームの一貫性を保つ選択も有効です。
最終的には自分のミス傾向とコース特性を見て、何度までを持つか決めてください。
ショップで試打し、実際の飛びとスピン感を確認することをおすすめします。
60度ウェッジの練習メニュー

60度ウェッジはグリーン周りのアプローチやバンカー脱出で頼りになるクラブです。
しかし高い弾道を正確に打ち分けるには反復練習が欠かせません。
高いピッチショット練習
高いピッチショットはピンに止めたい場面で有効な技術です。
まずは基本セットアップを確認してください。
ボール位置はスタンスの中央よりやや左寄りにして、体重は左足7割を目安にします。
フェースはスクエアからやや開いても構いませんが、顔と肩のラインはターゲットに合わせます。
コンパクトなバックスイングで手首の使いすぎを抑える練習を繰り返してください。
コックを維持したまま、フォロースルーでフェースをしっかり開く感覚を身につけると高い球が打ちやすくなります。
ターゲットを小さなマーカーにして、ピンポイントで止める練習を行ってください。
ショット毎に目標を変えて、距離とスピン量の関係を体で覚えることが重要です。
バンカー脱出練習
バンカーでの60度ウェッジは深いバンカーからの脱出にも有利です。
ソールを使って砂をしっかり掬うイメージで打つ練習を行いましょう。
ドリル | 目的 |
---|---|
ヘッドを砂に入れる感覚練習 | 一定の砂量で脱出する技術向上 |
ターゲット距離別反復 | 距離感養成 |
浅いライからの抜き方練習 | バウンス活用の習得 |
テイクバックでは体重を軽く右に残し、インパクトで一気に左へ移動する練習が効果的です。
フェースを開いて砂を捕らえる位置を一定にすることが成功の鍵となります。
脱出時の目標を明確にして、まずは安全にバンカーを出すことを優先してください。
距離感養成ドリル
60度ウェッジは距離幅が狭い分、1ヤードの差が結果を左右します。
距離感を養うために反復性の高いドリルを取り入れましょう。
- 10ヤード刻みのターゲット打ち
- クラブの開閉で球筋比較
- ランニングとピッチの切り替え練習
まず10ヤードごとに小さなコーンを置き、同じスイング幅で出た距離を記録してください。
次にフェースを少し開いたり閉じたりして、スピン量と飛距離の変化を確かめます。
その後、同じ距離をランニングアプローチとピッチショットで交互に打ち、状況に応じた選択を身につけましょう。
ライ別ショット練習
ライの違いでソールの使い方と振り幅が変わります。
まずは硬いセミフェアウェイからのコンパクトなアプローチを反復してください。
ラフではフェースを閉じてしっかりとボールを叩く練習が有効です。
打ち上げや打ち下ろしのライではスタンス幅と体重移動を微調整することを意識します。
傾斜地ではボール位置を調整してクラブの入射角を変える練習を行ってください。
それぞれのライでミスショットが出た原因を記録し、練習メニューに反映させると上達が早まります。
練習は短時間でも集中して行うことが大切です。
週に1回はコースで実戦的な練習を取り入れて、練習場と実戦のギャップを埋めてください。
購入時のチェックポイントとおすすめ基準

60度ウェッジを買うときは、見た目だけで決めないことが重要です。
扱いやすさとコース対応力を基準に選ぶと、実戦での活躍度が高まります。
ヘッド形状とフェースサイズ
ヘッド形状は操作性と安心感に直結します。
フェースサイズが大きいとミスに強く、逆に小ぶりなヘッドはコントロールしやすい傾向があります。
以下の表で代表的なヘッドタイプと特徴を簡潔に比較します。
タイプ | 特徴 |
---|---|
小ぶりヘッド | 操作性重視 |
中間サイズ | バランス型 |
大型ヘッド | ミスに強い |
試打ではアドレス時の安心感と目標への合わせやすさを確認してください。
ミスショットの許容範囲とフェースの見え方で好みが分かれますので、実際に構えて決めることをおすすめします。
バウンス角の適合性
バウンス角は芝や砂の状態によって効果が大きく変わります。
自分のよくラウンドするコースのライを想定して選ぶと失敗が少ないです。
- 少ないバウンス
- 中間バウンス
- 多いバウンス
少ないバウンスは硬いライや薄い芝向きです。
多いバウンスは深いバンカーや軟らかい芝で抜けが良くなります。
シャフトの硬さと長さ
シャフトの硬さは飛距離の安定性や打感に影響します。
初心者の方は柔らかめのシャフトで距離感をつかむのがやりやすいでしょう。
長さは標準的な長さから始めて、必要に応じて短めに調整すると操作性が向上します。
試打で弾道や打感、スピン量の違いをチェックしてください。
グリップとフィーリング
グリップの太さや材質は手の感覚に直結します。
細すぎると力が入りすぎ、太すぎるとクラブが回りにくくなる場合があります。
ラウンド中に長時間使っても疲れにくいグリップを選ぶとパフォーマンスが落ちにくいです。
フィーリングは最終的に自分の感覚で決めるしかありませんので、複数モデルを握って比較してください。
実践への一歩

今まで学んだ基本と練習を、ラウンドで試す段階です。
小さな目標を設定し、例えばグリーン周りでの成功率やバンカー脱出回数などを数値化して記録してください。
練習場では高いピッチショットとバンカーを交互に行い、短時間で感覚をつかみます。
実戦では安全な選択を優先し、難しい状況は無理をせず別のクラブで対応しましょう。
成功と失敗を冷静に振り返り、次回の課題に落とし込む習慣をつけてください。
継続が一番の上達法です、焦らず楽しんで取り組んでください。