ゴルフでシャフトの重さに迷う方は多いはずです。
数値だけで選ぶと弾道や打感が合わずスコアを落とすことがよくあります。
本記事はアイアンシャフトの重量を40g台・50g台・60g台・70g台・80g台・90g台以上の順に整理し、各帯の弾道影響やスピン・キャリーとの関係、スイング調整法や実戦的なフィッティング事例まで分かりやすく解説します。
さらに市販モデルの実測ポイントや試打記録の取り方、最短で適合重さを見つけるチェックリストも用意しました。
まずは一覧で自分に近い重量帯を確認し、気になる帯の詳細へ進んでください。
アイアンシャフトの重さ一覧
アイアンシャフトの重さはクラブの挙動を大きく左右します。
軽いシャフトは扱いやすさをもたらし、重いシャフトは安定性を高めます。
ここでは40g台から90g台以上まで、各レンジの特徴と向いているプレーヤー像をわかりやすく紹介します。
40g台
40g台は極めて軽量なシャフトで、主に女性用やシニアモデルで採用されることが多いです。
振りやすく、ヘッドが走りやすいので打ち出しが高くなりやすい特徴があります。
その反面、風の影響を受けやすく、スピンコントロールや方向安定性に課題が出ることがあります。
スイングテンポがゆったりの方や力の弱いゴルファーにおすすめします。
50g台
50g台は軽さと操作性のバランスが取れたレンジです。
女性やパワーの少ない男性が扱いやすく、安定した弾道が出やすくなります。
| 特性 | 推奨プレーヤー | 効果 |
|---|---|---|
| 軽めの操作感 | 女性 | 打ち出しが高くなる |
| 扱いやすさ重視 | シニア | ミスの軽減 |
| 初心者向け | 入門者 | スイング習得の助け |
カタログ表記と実測が異なる場合もあるため、試打で感触を確かめることをおすすめします。
60g台
60g台はもっとも汎用性が高いレンジで、幅広いプレーヤーに支持されています。
男性アマチュアの平均的なスイングスピードに合いやすく、飛距離とコントロールの両立が期待できます。
安定したフィーリングを求める中級者にとって、最初の候補になることが多いです。
バランスを崩さずにスイングできると、弾道の再現性が高まります。
70g台
70g台はやや重めで、振り抜きよりも振り幅と安定性を重視する方向けです。
ヘッドのブレが減り、方向性とランの予測がしやすくなります。
- スイングスピード中〜速め
- 安定性重視の中級者
- 操作性を求める上級者
強めのシャフトを好む方や、ヘッドコントロールを高めたい人に向いています。
80g台
80g台はさらに重く、力強いスイングでこそ真価を発揮します。
低弾道でスピンを抑えたい場面に有利になり、風に強い弾道を作れます。
上級者やヘッド重量が重めの設計と組み合わせるゴルファーに適しています。
強い手首や体幹で安定して振れることが前提になります。
90g台以上
90g台以上は非常に重く、限られた上級者向けの選択肢です。
極端なコントロール性と安定感を求めるプロや競技志向のプレーヤーが対象になります。
扱いには高いスイングスピードとフィット感が必要で、ミスマッチだとパフォーマンスを下げます。
試打で確実にフィーリングを確認してから導入することを強くおすすめします。
アイアンシャフト重さが弾道に与える影響
アイアンシャフトの重さは弾道に直結して影響を及ぼします。
見た目や打感だけでなく、打ち出し角やスピン、飛距離のバランスが変わるため、適正な重さ選びはスコアメイクに重要です。
打ち出し角
シャフトが軽いほど、ヘッドスピードを上げやすくなり、結果として打ち出し角が高くなる傾向があります。
一方で重いシャフトはヘッドの制御がしやすく、やや低めの弾道に落ち着きやすいです。
スイングタイプやヘッドのロフトによっても変化するため、一概に軽ければ良いとは言えません。
- 軽量シャフト 高打ち出し
- 中量シャフト 標準的打ち出し
- 重量シャフト 低打ち出し
スピン量
一般的に軽いシャフトはインパクトでのフェース角の安定性が低下しやすく、スピン量が増減しやすい傾向があります。
重めのシャフトはヘッドの挙動を抑え、コンタクトが安定することでスピンのバラつきが減ることが多いです。
ただし、スピン量はボールの性質やロフト角、インパクトの打ち方にも大きく左右されます。
| 軽量シャフト | 重量シャフト |
|---|---|
| スピン増加傾向 | スピン安定傾向 |
| バラつきやすい | 一貫性が出やすい |
キャリー距離
軽いシャフトはヘッドスピードを出しやすいため、同じスイングであればキャリー距離が伸びることがあります。
しかし、振り遅れやフェースのブレが生じると、反対にロスが出て飛距離が落ちるリスクもあります。
重量シャフトは安定したミートを促し、ミスの少ないキャリーを生む場合が多いです。
ラン量
打ち出し角とスピンが変わると、必然的にラン量も変化します。
高めの弾道と多めのスピンが組み合わさるとランは抑えられ、キャリーで止めやすくなります。
逆に低弾道でスピンが少ない場合は着地後によく転がり、トータル距離は伸びる傾向です。
打感
シャフトの重さは打感に直結して伝わり方が変わります。
軽いシャフトは弾き感が強く感じられることがあり、球離れが速く感じる場合があります。
重いシャフトはどっしりとした手応えがあり、インパクトのフィールが明確になるため好むゴルファーも多いです。
操作性
操作性はヘッドをどれだけ自在に動かせるかに左右されます。
軽量シャフトはスイング中のコントロールがしやすく、フェードやドローの意図的な球筋作りに向いています。
重いシャフトは微細なフェース操作が難しい反面、ライン出しや芯で捉える感覚は得やすいです。
最終的にはご自身のスイングテンポと好みを基準に、試打で確かめるのが最も確実です。
重さに合わせたスイング調整
アイアンシャフトの重さによって、スイングで気を付けるべきポイントは変わります。
ここでは実践で役立つ具体的な調整方法を、項目ごとに分かりやすく解説します。
グリップテンポ
シャフトが軽いと手元感覚が速くなりやすく、重いと遅く感じやすいです。
軽量シャフトではテンポを少し落ち着かせることでミート率が上がります。
重量シャフトでは無理に速く振ろうとせず、リズムを一定に保つことが肝心です。
- メトロノームリズムを意識
- リズムを崩さないための深呼吸
- 軽量はやや速めのリズム
- 重量はゆったりとしたリズム
バックスイング幅
シャフトが重い場合、バックスイングをやや小さめにするだけでコントロール性が高まります。
反対に軽いシャフトなら、無理のない範囲でバックスイングを大きく取ると飛距離が伸びやすいです。
どちらの場合もスイングのバランスを崩さないことが最優先です。
| シャフト重量 | 推奨バックスイング幅 |
|---|---|
| 40g台 | 大きめ 90%程度 |
| 50g台 | やや大きめ 85%前後 |
| 60g台 | 標準 80%前後 |
| 70g台以上 | 短め 70%程度 |
ダウンスイングタイミング
重めのシャフトはダウンスイングの初動をやや早めにすると、クラブの重さを利用してヘッドを加速させやすくなります。
軽めのシャフトでは、早すぎる切り返しがオーバースイングにつながるため、タイミングを少し遅らせると安定します。
タイミング調整の練習としては、ハーフスイングで切り返しの間隔を一定にするドリルがおすすめです。
フェースコントロール
シャフトが軽いとフェースが開きやすく、スライスの原因になることが多いです。
そのためリリースのタイミングとグリップ圧を少し強めに保つ意識が有効です。
逆に重いシャフトはフェースが遅れて閉じることがあるので、インパクトでのフェース向き確認を怠らないでください。
どちらのタイプでも、打球後のターゲット確認を習慣化するとフェースコントロールの改善につながります。
重さ別フィッティング実例
ここでは実際のフィッティング事例を重さ別に紹介します。
スイングタイプや目的に応じて最適なシャフト重量は大きく変わりますので、目安としてお使いください。
初心者から上級者、そして女性向けまで、現場でよく出るパターンを分かりやすくまとめます。
初心者向け
クラブに慣れていない方には軽めのシャフトをおすすめします。
振り抜きやすさを優先して、まずは安定したスイングリズムを作ることが重要です。
- 40g台の軽量シャフト
- 45インチ相当のやや短め設定
- 柔らかめのフレックス
上のチェックリストは試打で優先的に確認していただきたい項目です。
軽いシャフトはスイング速度が出やすく、ミート率の向上につながることが多いです。
ただし、風の影響を受けやすい点は覚えておいてください。
中級者向け
一定のスイングができる中級者は、軽さと安定性のバランスを重視すると良いです。
ここでは目安として使いやすい重量帯と得られる効果を示します。
| 目安重量 | 期待される変化 |
|---|---|
| 50g台 | 操作性向上 |
| 60g台 | 安定した弾道 |
| 70g台 | コントロール重視 |
50g台は扱いやすさと操作性の両立を求める方に向いています。
60g台はミート率と安定性が高まり、飛距離の再現性が上がることが多いです。
70g台に移るとヘッドの挙動が整い、方向性を重視する場面で威力を発揮します。
上級者向け
上級者はシャフトの重さで微妙なフィーリング調整を行うことが多いです。
重めのシャフトを好む方はヘッドの安定感を重視しており、軽めを好む方はヘッドスピードを追求します。
70g台以上を試す際には、スイングテンポやタイミングの微調整が必要になります。
上級者は数字だけで決めず、実際の打感や弾道を基準に選ぶとよいです。
コースでの挙動確認を怠らず、風の日や長時間ラウンドでの変化まで考慮してください。
女性向け
女性プレーヤーには軽めでしなりを感じやすいシャフトが人気です。
40g台から50g台の間で、自分の振りやすさと弾道の高さを照らし合わせて選ぶと良いでしょう。
軽量シャフトはスイングスピードが出やすく、キャリーを稼ぎやすい利点があります。
しかし、短時間で慣れてしまうとコントロール面で課題が出ることもありますので、複数重量で比較してください。
試打の際は飛距離だけで判断せず、方向性とスピン量も確認することをおすすめします。
市販モデルの重さ比較と測り方
市販されているアイアンシャフトの重さ表示は、一見すると単純に見えます。
しかしカタログ表記と実際の重さは必ずしも一致しないことが多いです。
ここではカタログの読み方から実測のコツ、試打データの取り方やメーカーごとの傾向まで、実用的にまとめます。
カタログ表記
メーカーカタログにはシャフトの重量がg単位で記載されています、ただし表示は代表値であることが多いです。
同一モデルでも製造ロットやフレックスによって数グラムのばらつきが出ます。
またクラブヘッドやグリップを含めた「総重量」と、シャフト単体の「シャフト重量」は混同されやすいです。
さらにスウィングウエイトやトルクの表記も併記されていますので、重さだけでなくバランス面も確認してください。
実測のポイント
正確に比較したい場合はシャフト単体の重量か、ヘッドを含めたクラブ全体のどちらを比較するかを最初に決めてください。
おすすめはデジタルスケールを使用して、まずクラブ全体を計測する方法です。
ヘッドを外せる場合はヘッドの重さを別に測り、差し引くことでシャフト単体の近似値が出せます。
グリップは重量に影響を与えるため、純正グリップの有無やサイズが一致しているかを確認してください。
またシャフトの長さや先端のトリム有無で重量が変わるため、計測前に長さを揃えることが重要です。
計測は複数本で平均を取ると、より信頼できる比較結果になります。
試打記録の取り方
シャフトの重さが弾道に与える影響を正しく把握するには、条件を揃えた試打が不可欠です。
同一ヘッドと同一グリップで重量だけを変えた比較が理想的です。
打数を十分に確保し、条件を変えないことを徹底してください。
- ヘッドスピード
- 打ち出し角
- バックスピン量
- キャリー距離
- ミート率
屋外の場合は風速やフェアウェイの状態をメモに残すと、データのぶれを説明しやすくなります。
最後に主観的な打感や操作性の感想も記録しておくと、適合判断に役立ちます。
メーカー別傾向
各メーカーには設計思想や標準ターゲット層があり、シャフト重量にも傾向が出ます。
| メーカー | 典型的な重量帯 |
|---|---|
| Titleist | 60g台 70g台 |
| TaylorMade | 50g台 60g台 |
| Mizuno | 70g台 80g台 |
| Ping | 60g台 70g台 |
| Honma | 50g台 60g台 |
例えば操作性を重視するモデルはやや軽めに振られる傾向があり、安定性を重視する設計はやや重めに設定されることが多いです。
実店舗で試打しながら、カタログ値と実測値の差を意識すると良い判断ができます。
最短で適合重さを決めるチェックリスト
最短で本当に合うアイアンシャフトの重さを見つけるため、実践的で迷わないチェックリストを用意しました。
屋外レンジやインドアで計測器を使い、数値と感覚の両方で判断してください。
- スイングスピードを計測する
- 40g台から順に5球ずつ試打する
- 打ち出し角とスピン量を記録する
- キャリーと方向性の安定性を評価する
- グリップ感と疲労度を確認する
- 飛距離とミス率で最終決定する
このチェックリストで候補を絞り、フィッティングや弾道計のデータと照らして最終的な重さを確定してください。

