ラフからの一打でスコアを崩し、練習しても安定しないと悩んでいませんか。
芝の深さや順目・逆目、沈み具合で同じ打ち方が使えないのが難点です。
この記事ではライ別の具体的な打ち方と番手選び、グリップや体重配分のコツを示します。
フェアウェイウッドやウェッジなどクラブ別の対処法も分かりやすく整理しました。
払い打ちや鋭角ダウンブローなど、実戦で使えるスイングも紹介します。
次章からライの見極めと具体的なテクニックを順に解説していきます。
ゴルフラフの打ち方
ラフでのプレーはフェアウェイとは全く違う感覚が求められます。
ボールの沈み具合や芝の長さでスイングの組み立てを変える必要があります。
ライの見極め
まずはライを丁寧に観察してください。
浮いているのか、浅く沈んでいるのか、完全に埋まっているのかで打ち方が変わります。
芝の根元がボール周りでどうなっているかを確認し、抵抗の強さを想像してください。
風向きや傾斜も含めて全体の状況を判断する習慣をつけるとミスが減ります。
番手選び
ラフではクラブのバウンスとロフトの相性を意識して番手を選んでください。
深いラフではロフトの多い番手を使うとヘッドが抜けやすくなります。
- 深いラフでの選択肢
- 浅いラフでの選択肢
- ピンまでの距離での最適番手
風やピン位置も考え、無理に飛ばさない判断が必要です。
グリップの強さ
ラフではグリップを極端に強く握りすぎないことが基本です。
握りが強すぎると手首の動きが固まり、ヘッドが芝から抜けなくなります。
しかし、緩すぎるとコントロールを欠くので、中間のしっかり感を保ってください。
手首の柔軟性を残しつつ、クラブを腕の延長として扱うイメージが有効です。
スタンスと体重配分
スタンスは通常よりやや狭めに取り、下半身で安定させることが大切です。
体重は状況に応じて前寄りかやや後ろ寄りに調整してください。
| 状況 | 体重配分 |
|---|---|
| 浅いラフ | 前体重 六割 後四割 |
| 深いラフ | 前体重 七割 軸安定重視 |
| 斜面のラフ | 支え側にやや体重寄せる |
テーブルの配分を参考に、自分の感覚で微調整してください。
ボール位置
ボール位置はクラブによって変えつつ、ラフの深さで微調整を行います。
深いラフではボールをやや後ろに置き、ヘッド抜けを良くする方法が有効です。
逆に浅いラフや順目のライでは通常通りの位置に置いても問題ありません。
ボール位置の微妙な違いがインパクトの角度に大きく影響しますので、慎重に決めてください。
バックスイングの長さ
余計に大きく振る必要はありませんので、バックスイングはコンパクトにまとめてください。
深いラフでは短めのハーフスイングがミスを減らします。
ただし、パワーが必要な場面ではしっかりとした切り返しを意識することが重要です。
リズムを崩さず、上半身と下半身の連動を意識してスイングしてください。
インパクトの意識
ラフではインパクトで芝をすくい上げようとしないことがポイントです。
ヘッドを走らせて芝を切るイメージで、ボールをしっかりと捉えてください。
フェースをスクエアに保ちつつ、フォローを意識すると距離のブレが減ります。
インパクトの瞬間に目線を残し、ボールを見る癖を崩さないように注意してください。
ライ別の打ち方
ラフはライの状態によって対応が変わります、正しい判断が次のショットに直結します。
以下では浮きライから逆目まで、具体的な打ち方と実戦で使えるコツを紹介します。
浮きライ
草の上に浮いたライはクラブがボールに届きやすく、比較的攻めやすい状況です。
番手は状況によって一つ下げることを検討してください、飛び過ぎを防げます。
スイングはやや払い打ち気味にして、フェースを使ってボールを拾うイメージで打つと良いです。
- 番手を一つ下げる
- 払い打ちを意識する
- 薄く入れるイメージ
グリップは柔らかめに保ち、手首の柔軟性を残すと意図した通りにフェースが入ります。
沈みライ
沈みライはボールが草に沈み、インパクトでヘッドが潜りやすくなります。
そのため打ち方は鋭角に入れる意識が重要で、ロフトを立ててダウンブローを取ることが基本です。
| 問題点 | 対策 |
|---|---|
| ヘッドが潜る | ロフトを立てる 手元を前に出す |
| 距離ロス | フルショットを避ける ハーフで出す |
クラブ選びは確実に球を上げられるものを優先してください、無理に飛ばそうとしないことが肝心です。
半埋まりライ
半埋まりはボールが部分的に埋まり、接触のバラつきが出やすい状態です。
高めのロフト、短めのバックスイング、そしてインパクトでしっかりヘッドを入れることを意識してください。
フェースをやや開いてソールを滑らせるイメージで打つと、球の抜けが良くなります。
完全埋まりライ
完全に埋まっている場合は、無理にグリーンを狙わずに安全策を選ぶ判断が重要です。
選択肢としてはフェースを開いてグリーン周りに出すか、確実にレイアップしてリスクを減らすことになります。
特殊な状況ではパターで転がす選択も有効で、状況判断を優先してください。
順目
順目は芝目がボールの進行方向にそっている状態で、球が浮きやすく転がりやすい特徴があります。
そのため通常よりフェースの閉じを抑え、少し低めの番手を使ってランを稼ぐ戦略が功を奏します。
スイングはコンパクトにしつつ、フォローをしっかりと取るとボールが伸びます。
逆目
逆目は芝目が逆方向で、ボールが沈みやすくスピンが掛かりにくくなります。
ここでは確実に球を拾うために一つ上の番手を選び、鋭角に入れてインパクトで押し込む動作が必要です。
無理に力まず、リズムを一定に保ってボールの抜けを優先してください。
クラブ別テクニック
ラフでのクラブ選びは打ち方と直結します。
ここでは各クラブごとに押さえておきたいポイントを実践的に解説いたします。
フェアウェイウッド
長く薄いヘッドはラフに引っかかりやすいため、ダフリを避けるスイングが重要です。
ボールを少しスタンスの中央寄りに置き、やや浅めのアタックでフェースの下を滑らせるイメージで振ってください。
重心移動は左足にしっかり乗せて、フォロースルーでヘッドを走らせます。
手で力任せに振るとヘッドが止まりやすく、ラフに負けて距離を失いますので注意が必要です。
ユーティリティ
ユーティリティはラフでの安定感が高く、迷ったら使いやすいクラブです。
短めのテークバックでコンパクトに振り、入射角を浅くするのがコツです。
- フェアウェイが狭いとき
- 無理に高く上げたくないとき
- 風が強く低く運びたいとき
状況に合わせてロングクラブの代わりに使うと、大怪我を防げます。
ロングアイアン
ロングアイアンは打点がシビアで、ラフではミスが出やすいクラブです。
ボール位置はやや右足寄りにしてトップでのロフト効果を生かします。
ダウンスイングでは手首の角度を保ち、ヘッドを走らせる意識で打ってください。
ミスの許容が少ないため、必要ならユーティリティに切り替える判断も有効です。
ミドルアイアン
ミドルアイアンはコントロールと飛距離を両立しやすいので、ラフでも標準的な選択肢になります。
打法の基本はクリーンヒットを意識したダウンブローです。
| ミス | 対策 |
|---|---|
| トップ 薄い当たり |
ボール位置をやや右に スイングを短くする |
| ダフリ 距離不足 |
体重を左に残す ハンドファーストで入射角を鋭くする |
表のポイントを練習場で一つずつ確認すると効果が高いです。
ショートアイアン
ショートアイアンは精度勝負のクラブで、ラフでも高い操作性が期待できます。
スイングは小さく、リズムを崩さないことが重要です。
フェースをやや開いてスピンを使う方法も有効ですが、やり過ぎると方向性を失いますので注意してください。
グリッププレッシャーは軽めに保ち、ヘッドの重さを感じて打ってください。
ウェッジ
ウェッジはバンカーやグリーン周りと同様に、スピンとバウンドを活かすクラブです。
ラフで使う際はソールのバウンスを利用して滑らせるイメージで入れてください。
鋭角に入れたい場面ではハーフショットで厚く当てる意識が有効です。
距離感は短いレンジで繰り返し確認すると、本番で安定します。
ラフで有効なスイング
ラフからのショットはフェアウェイとは全く違う感覚が必要です。
芝の抵抗を受けやすく、クラブヘッドの通り道が変わるため、単純に力を入れれば良いわけではありません。
ここでは状況別に使えるスイングを具体的に解説します。
ハーフショット
ラフで最も安全にボールを運ぶ方法の一つがハーフショットです。
フルスイングよりもコンパクトに振ることで、余計なヘッドの加速を抑え、芝による引っかかりを減らします。
ハーフショットの基本は安定したリズムと短い振り幅です。
- 短いバックスイング
- コンパクトなフォロー
- スイングのリズム重視
- 必要以上に手首を使わない
これらを意識することでミスヒットが減り、グリーン近くで使いやすくなります。
払い打ち
ラフの深さが浅い場合には、払い打ちが有効な選択肢です。
クラブフェースをやや開いて、芝を滑らせるようにインパクトするイメージで打ちます。
ダウンブローに比べて地面に刺さりにくく、ボールが浮きにくいのが利点です。
| 状況 | 狙い |
|---|---|
| 浅いラフ | ボールを滑らせる |
| 柔らかいライ | スピンを抑える |
| グリーン近く | 安全に寄せる |
払い打ちではフェースの開閉を最小限にして、面でボールをとらえる感覚を大切にしてください。
鋭角ダウンブロー
深いラフや半埋まりの状況では、鋭角に入れてダウンブローで抜く方法が効果的です。
インパクトでしっかりとボールの下の芝を切ることで、ボールがフェースに乗りやすくなります。
ただし、ダウンブローはミスのリスクも高いので、確実に当てに行くことを優先してください。
フェースをターゲットに向けたまま、手首の余分なアクションを抑えると成功率が上がります。
フェースコントロール
どのスイングでも共通して重要なのがフェースコントロールです。
ラフではフェース向きのわずかな違いが飛距離と方向に直結します。
オープンにして滑らせるか、スクエアでしっかり打つかを状況で使い分ける必要があります。
短いショットではフェースを少し開いてスピンを抑え、長いショットではスクエアかややクローズにして安定させると良いでしょう。
最後に、練習場での再現性を高めておくことが、ラフでのスコアを守る最短の近道です。
ラフでの判断基準
ラフからの1打は技術だけでなく、判断力がスコアを左右します。
ここでは、状況に応じたリスクの見極め方と、時には出すだけの選択をする基準について解説します。
リスク評価
まずは目の前のライと周囲の状況を冷静に評価してください。
ボールの沈み具合、ラフの長さ、目土や傾斜の有無、グリーンまでの距離と風向きなどを総合的に判断します。
- ボールの沈み深さ
- ラフの湿り気
- 周囲の障害物
- グリーンの位置とピンの状況
- 残りの距離と風
これらの要素が複数不利に働く場合は、難しいショットを無理に狙うリスクが高くなります。
出すだけの選択
安全に刻む、あるいはボールを確実にフェアウェイに戻す判断は、スコアを守る上で極めて有効です。
| 状況 | 推奨アクション |
|---|---|
| 深いラフ | 出すだけ |
| グリーンが遠い | レイアップ |
| 風が強い | 安全優先 |
出すだけの選択は一見消極的ですが、バーディーやパーを狙う場面での失敗を防ぐために有効です。
安全策の優先基準
いつ安全策を優先するかはスコア状況とホールの性格で決めるべきです。
たとえば、試合終盤でパーが必要な場面や、罰打の可能性が高いライであれば、無理に攻めない選択を優先してください。
また、フェアウェイに戻すことが次のショットで有利になると判断したら、安全策を取る価値が高まります。
最終的にはリスクとリターンを天秤にかけ、冷静に最適解を選んでください。
ラフでスコアを守る最終ポイント
無理をせず、まずライを見極めることが最優先です。
深いラフや逆目なら番手を上げて、コンタクトを確実にすることを考えてください。
出すだけで十分な場面では安全策を取り、グリーン周りなら寄せを確実にする方がスコアにつながります。
ラフではスイングを小さく、フェースのコントロールを意識して、狙いよりも確実性を優先してください。
最後に、精神的な焦りを抑え、次のショットに切り替える冷静さを持つことが勝敗を分けます。

